東京都渋谷区恵比寿の鍼灸院
赤岩治療院
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顔面神経麻痺について

顔への鍼治療

顔面神経麻痺は、病気やケガなどにより顔面神経に障害が起きることで、顔の表情筋が動かせなくなった状態です。

 

顔面神経麻痺には、中枢性と末梢性の2種類がありますが、このページでは、鍼灸治療が効果的な末梢性顔面麻痺について、原因や症状、施術方法などをご紹介しています。

 

鍼灸師:赤岩優子

顔面神経麻痺の鍼灸治療

顔への鍼治療をしているところ

顔面神経麻痺の鍼灸治療では、顔面神経の通り道の筋肉や組織の血流を改善し、顔の動きの回復を促し、全身への治療を加えて、免疫力を高めたり、自律神経のバランスを整えます。当院では、次のような施術を行います。

  1. 顔面神経上のツボへの鍼とお灸
  2. 顔・耳周りのマッサージ
  3. 全身の調整

1.顔面神経上のツボへの鍼とお灸

鍼灸治療では、顔面神経の通り道の上にあるツボや、顔面神経が支配する表情筋に鍼を刺します。そして、棒状のお灸を使って、顔面神経の通り道に沿って温熱刺激を与えます。

 

この施術により、顔面神経の血流が改善され、顔の動きが回復しやすくなります。

顔面神経上のツボの位置

【顔面神経麻痺の鍼灸治療で使用する主なツボ】

  1. 陽白(ようはく):おでこにシワを寄せる時に働く、前頭筋の上にあるツボ
  2. 絲竹空(しちくくう):目を閉じる時に働く、眼輪筋の上にあるツボ
  3. 太陽(たいよう):顔面神経上にあるツボで、片頭痛や眼精疲労にも効果がある
  4. 四白(しはく):顔面神経上にあるツボで、眼瞼ミオキミアなどの目の不調に効果が高い
  5. 下関(げかん):上顎と下顎の間にあるツボで、あごや歯の痛みにも効果がある
  6. 顴髎(けんりょう):口角を外上方にあげる時に働く筋肉の上にあるツボ
  7. 地倉(ちそう):口角のゆがみや、よだれが垂れる症状に効果のあるツボ
  8. 大迎(だいげい):顔面の血流を高めたり、むくみの解消、咬筋をゆるめる効果があるツボ
  9. 頬車(きょうしゃ):咬筋のこわばりをとったり、免疫力を高める効果もあるツボ
  10. 翳風(えいふう):深部に顔面神経管が通る場所にあり、耳鳴りや難聴にも効果が高いツボ

2.顔・耳周りのマッサージ

顔や頭へのマッサージ

顔のマッサージは、顔のこわばりや表情筋の緊張をやわらげ、顔の動きをスムーズにする効果があります。

 

表情筋とは、顔の表情を作る筋肉のことで、前頭筋、大頬骨筋、小頬骨筋、笑筋などのことです。顔のマッサージでは、これらの筋肉を、顔面神経の通り道に沿って優しくマッサージします。また、顔面神経の出口でもある耳たぶの周辺やあご周りもゆるめます。

 

このようにして、顔の筋肉の働きを良くし、表情を作りやすくします。

3.全身の調整

腰へのお灸の様子

顔面神経麻痺は、疲労やストレス、免疫力の低下など、全身的な不調が原因になっているケースが多いため、全身のバランスを整えることで、顔の回復が促進されると考えています。

 

顔への施術に加え、お腹や背中、手足などのツボにも鍼やお灸を使って刺激を与えます。これにより、全身の血流や代謝が良くなり、免疫力や自律神経のバランスが整います。

顔面神経麻痺とは

顔面神経麻痺は、顔の筋肉に麻痺が起こり、眉毛を上げたり、目を閉じたり、頬をふくらませるといった表情を作ることが困難になる病気です。 

 

この病気は、朝起きた時やある日突然に発症することがあります。顔に上記のような症状や異変を感じたら、すぐに耳鼻咽喉科を受診することが重要です。

 

時間が経過してしまうと、薬の効果が低くなり、回復が遅くなったり後遺症が残る可能性があります。顔面神経麻痺は、早期の診断と治療が大切です。

 

参考:MEDLEY/顔面神経麻痺

顔面神経麻痺の原因

顔面神経麻痺の原因の比率

顔面神経麻痺の原因は、事故や外傷、外科手術の後遺症などもありますが、最も多いのは「ベル麻痺」で全体の約60%以上、次に多いのは「ラムゼイハント症候群」で約20%程度です。

ベル麻痺とは

ベル麻痺とは、顔面神経麻痺の中で、原因が明らかにはなっていないものをいいます。

ベル麻痺の原因として、「単純ヘルペスウィルス」というウィルスが関係していることが分かっています。

 

このウィルスは、疲労や免疫力の低下でなどで活性化し、神経に炎症やむくみを起こすと考えられています。 

 

ベル麻痺の主な症状は、顔の片側の筋肉が動かなくなることですが、聴覚の症状、味覚にも影響が出ることがあります。

 

参考:MEDLEY/ベル麻痺(突発性顔面神経麻痺)

ベル麻痺の症状

【顔の症状】

  • まぶたが閉じられない
  • ひたいにシワが作れない
  • 口元が下がる
  • よだれがたれる

 

【聴覚の症状】

  • 音が大きく響く(聴覚過敏)

 

【味覚の症状】

  • 舌の前側2/3の部分の味覚障害
  • 金属のような味を感じる

ラムゼイハント症候群とは

ラムゼイハント症候群は、顔面神経麻痺の一種で、耳性帯状疱疹とも呼ばれています。

 

この病気は、「水痘帯状疱疹ウィルス」というウィルスが原因で起こります。このウィルスは、何年も前に感染した後、神経に潜んでいますが、疲労や免疫力の低下などで再活性化し、帯状疱疹を引き起こします。

 

ラムゼイハント症候群の主な症状は、顔の片側の筋肉が動かなくなる顔面神経麻痺です。また、聴神経にも影響が出ることがあります。

 

ラムゼイハント症候群は、ベル麻痺と似ていますが、重症化しやすい傾向があります。

 

参考:MEDLEY/耳性帯状疱疹(ラムゼイハント症候群)

ラムゼイハント症候群の症状

【顔面麻痺の症状】

  • まぶたが閉じられない
  • ひたいにしわがよせられない
  • 口元が下がってしまう
  • よだれがたれる
  • 味が感じにくい(舌の前側2/3)

 

【帯状疱疹の症状】

  • 耳の中とその周辺の強い痛み
  • 水ぶくれや、かさぶたができる

 

【聴神経のダメージによる症状】

  • 聴力の低下
  • 耳鳴り
  • ふらつきや、めまい

お困りの方へ

鍼灸師 赤岩優子

顔面神経麻痺は、顔に現れる症状ということもあり、大変なストレスになりますね。

私もかつて、顔に帯状疱疹が現われて、赤い発疹と激しい痛みに苦しんだことがあります。冷たい風にあたると、痛みが強くなり、外出が困難になった時期も経験しました。

 

顔面神経麻痺の治療は、お顔への鍼灸治療を不安に感じる方もいらっしゃるかも知れませんが、当院では、臨床経験の豊富な鍼灸師が患者様の安心を第一に考え、細心の注意を払いながら施術を行っています。

 

リラックスして治療を受けていただけるよう、心地よい鍼、温かいお灸、筋肉をほぐすマッサージ、そして全身の調整を丁寧に行います。

自然治癒力を高めて、身体の内側からも、回復をサポートいたします。

どうぞお気軽にお問合せください。

 

鍼灸師:赤岩 優子