膀胱炎を繰り返さないための鍼灸〜冷えと体力低下に効くお灸のチカラ
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執筆者:鍼灸師 赤岩優子
冷えや疲れで膀胱炎を繰り返しやすい方はぜひご覧ください。
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寒さが厳しく感じられるこの時期、当院へのご相談が増えるのが膀胱炎です。特に冷えや疲れにより膀胱炎を繰り返しやすい方には、つらい時期ですね。このページでは、冷えと膀胱炎の関係を解説しながら、東洋医学による膀胱炎を繰り返しやすい方の特徴やお灸について、さらには当院の膀胱炎の鍼灸治療の内容と、実際に治療を受けられた患者さんの声をご紹介します。
冷えや体力低下が膀胱炎を引き起こす理由
冷えや疲れにより体力が低下すると、体温が下がり免疫細胞の働きが弱まります。特に35℃台まで体温が下がると、白血球の活動が低下し、外部から侵入する細菌やウイルスに対抗する力が弱くなります。
また、同時に血流が低下するため膀胱の働きも低下します。その結果、膀胱内の細菌が増殖しやすくなり、膀胱炎を引き起こすリスクが高まります。
東洋医学による膀胱炎を繰り返しやすい方の特徴
- 「気虚」(ききょ):体内のエネルギー(気)が少なく、消耗しやすいため疲れやすい
- 「陽虚」(ようきょ):身体を温める力が少ないため、冷えやすい
- 「痰湿」(たんしつ):体内の水分(湿)を代謝する力が弱く、むくみがち
「気虚」「陽虚」「痰湿」はそれぞれの関係が深いため、全ての特徴が当てはまる方も少なくありません。体質を改善していくことが、治療であり再発の予防にもつながると考えています。
また、当院にお越しの患者さんのお話を伺うと、「また膀胱炎になるのでは?」といった不安や心配を感じている方がとても多くいらっしゃいます。
繰り返し起きる症状には、つい思い悩んでしまう方も多いのですが、このような精神的なストレスが自律神経の乱れや免疫力の低下などにつながることもありますので、不安や心配を感じている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
膀胱炎に効くツボとお灸の効果とは?
膀胱炎に効くツボ
- 腎兪(じんゆ): 腰の両側にあるツボで、腎臓の働きを活性化させ、体を温める効果があります。
- 三陰交(さんいんこう): 足の内側にあり、女性特有の冷えやホルモンバランスの乱れを整えるのに役立ちます。
- 中極(ちゅうきょく): 下腹部に位置し、膀胱の働きをサポートします
冷えや膀胱炎には、「腎兪(じんゆ)」や「三陰交(さんいんこう)」といったツボにお灸をすることで、体の深部から温める効果があります。
これらのツボに定期的にお灸をすることで、頑固な冷えを改善し、膀胱炎の予防や再発防止が期待できます。
お灸の効果
- 【血行促進】お灸の温熱効果により、血流が改善されます
- 【痛みの軽減】お灸は、ツボや筋肉など痛みの原因となる部分に直接作用します。特に、腰痛や肩こりなどの慢性的な痛みに効果があります
- 【リラクゼーション】お灸の温かい刺激は、リラックス効果をもたらします。ストレスや緊張を和らげ、心身のバランスを整える効果があります。もぐさの香りも人気があります
- 【免疫力の向上】お灸は体の自然治癒力を高め、免疫力を向上させる
- 【内臓機能の改善】お灸は内臓の働きを高める効果があります
お灸は、およそ5000年もの歴史を持つ自然療法です。
ツボに直接刺激を与えることで血行を促進し、冷えや体力低下による不調を改善します。
膀胱炎の鍼灸治療のご案内
当治療院では、膀胱炎の改善や再発予防に対して、専門の鍼灸治療を行っています。
東洋医学では膀胱炎や排尿障害のこと全般を「淋証」(りんしょう)といいますが、その中で冷えや体力低下が原因の膀胱炎を「労淋」(ろうりん)といいます。
労淋の症状の改善には、お灸が大変効果的です。さらに、お一人おひとりの体質や症状に合わせた鍼灸施術により、身体全体のバランスを整えます。
「労淋」の膀胱炎の特徴
- 頻尿(急な切迫感は少ないことが多い)
- 尿が濁る、あるいは色が濃い
- 尿の量が少なくなる(スッキリ出ない)
- 排尿時の痛みは少ないかあまり感じられない
「労淋」の膀胱炎の治療とその効果
「労淋」の治療では、症状の軽減だけでなく、根本原因となる「腎」や「脾」の機能を改善することが重要です。
膀胱炎は一度発症すると再発しやすい傾向がありますが、定期的な施術を受けることで予防効果を得ることができます。特に疲れが溜まっていたり、冷えを感じる時には治療の間隔を詰めて施術を受けられると効果的です。
- 経絡を中心とした施術
「腎」や「脾」といった経絡を中心に施術を行います。胃腸の働きを整え、疲れた身体を養生して、身体の元気が回復するよう促します。
- 腎経へのアプローチ
腎経へのアプローチでは、体内エネルギーの力を底上げし、免疫力の向上や水分代謝、精神的な不安を取り除く効果が期待できます。
- 脾経へのアプローチ
脾経へのアプローチでは、水分代謝能力を高めることによるむくみの軽減、体内エネルギーの補充や消化機能の働きを高める効果が期待できます。
膀胱炎の治療を受けられた患者さんの声
当院で実際に鍼灸治療を受けて膀胱炎を改善した患者さんの声をご紹介します。
- Hさん(50代)
「冷え性がひどく、冬になると毎年膀胱炎に悩んでいました。
こちらで施術を受けると下腹部のキュッとした嫌な感じが和らいだので、ツボを教えてもらい家でもお灸をするようになりました。
徐々に冷えが改善されみたいで、膀胱炎に悩むことがなくなりました。」 - Aさん(60代)
「自分では冷えてないと思っていましたが、先生に診ていただいたところ身体が冷えていることに気が付きました。
疲れたり冷えたりすると尿が出にくくなって、膀胱炎が慢性化していました。
定期的に治療を受けていますが、膀胱炎の症状が出なくなって安心しています。」 - Nさん(50代)
「仕事柄、座りっぱなしで足がいつも冷えていました。
治療してもらうと、腰やお腹もあたたかくなって、トイレがスッキリ出るようになりました。
お灸は香りにも癒されるし、治療後は体全体がポカポカして本当に楽です。」
まとめ
- 「冷え」「疲れ」は免疫力を低下させ、細菌の増殖を促し膀胱炎の発症につながりやすい
- 東洋医学において「気虚」「陽墟」「痰湿」の状態は、膀胱炎の再発につながりやすい
- お灸は冷えや体力の低下の改善に効果的
- 膀胱炎の再発予防には定期的な施術で体質改善していくことが重要
膀胱炎には「冷え」や「体力の低下」が大きな原因と考えられていますが、そこには自律神経の乱れも大きく影響しています。
当鍼灸院では、お灸と鍼を組み合わせた施術により、膀胱炎や冷えの根本改善を目指す治療を行っています。定期的な施術を受けていただくことで、膀胱炎の再発リスクを抑え、冷えに悩まない体質づくりをサポートします。
気になる下腹部の不快感や違和感もぜひご相談ください。
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