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過敏性腸症候群で下痢が不安な方へ「気」を整える鍼灸

赤岩優子の写真

執筆者:鍼灸師 赤岩優子

外食や乗り物の前に、お腹が心配になる方へ

過敏性腸症候群で下痢が不安な方へ「気」を整える鍼灸

「下痢をしやすい。」
「お腹が張る。」
「ガスが多い。」
「外出先で食事をすると、トイレのことが気になってしまう。」

過敏性腸症候群の方の中には、検査で大きな異常がなくても、お腹の不快感や便通の乱れが続く方がいらっしゃいます。

東洋医学では、こうした状態を「気」の不調として考えます。

赤岩治療院では、胃腸を支える気を補い、緊張で滞った気をめぐらせ、身体が安心しやすい状態へ整えることを大切にしています。

過敏性腸症候群で下痢や外出前の不安が続く方へ

過敏性腸症候群では、下痢、お腹の張り、ガス、腹痛、便秘などを繰り返すことがあります。

今回ご紹介する方は、54歳の女性です。

幼少期からお腹を下しやすく、寒暖差や季節の変わり目、疲れている時に下痢を起こしやすい状態でした。

胃腸科内科でアレルギー検査を受けても問題はなく、胃カメラと大腸検査も定期的に受けていました。
そのうえで、医師から過敏性腸症候群と診断を受けていました。

牛乳や生クリーム、油が多い料理では下痢を起こしやすいため、食事には気をつけていました。

それでも下痢が起こることがあり、

「何を食べると下痢になるのか分からない」
「外出先で食事をするのが心配」
「トイレがない乗り物に乗る前は不安が強い」

と感じていました。

下痢そのものだけでなく、「またお腹を下したらどうしよう」という不安が続くことも、過敏性腸症候群のつらさの一つです。

赤岩治療院では、こうした不調を「悪いところがたくさんある」とは考えません。

下痢、張り、ガス、冷え、疲れやすさ、外出前の不安。
一見バラバラに見える状態でも、東洋医学では「気」の不調としてつなげて考えます。

東洋医学では「気」の不調として考える

東洋医学でいう「気」とは、元気、気力、めぐり、温かさ、身体を動かす力のようなものです。

過敏性腸症候群の方では、この「気」の働きが不安定になっていることがあります。

気が不足すると、胃腸を支える力が弱りやすくなります。
そのため、疲れた時や季節の変わり目に、お腹を下しやすくなることがあります。

気が滞ると、緊張や不安が強くなりやすくなります。
外出前にトイレのことが気になったり、乗り物に乗る前にお腹が不安になったりする状態も、東洋医学では気のめぐりと関係して考えます。

また、気の働きが弱ると、身体を温める力も落ちやすくなります。
お腹や足の冷えがある方では、冷えによって胃腸の働きが乱れやすくなることもあります。

つまり、下痢、張り、ガス、冷え、不安、外出前の緊張は、別々の問題ではありません。

赤岩治療院では、過敏性腸症候群の方に対して、胃腸を支える気を補い、緊張で滞った気をめぐらせ、身体が安心しやすい状態へ整えることを大切にしています。

「何が悪いのか分からない」と不安になる方にとって、東洋医学の視点は、身体の状態を整理する一つの助けになります。

赤岩治療院での過敏性腸症候群への鍼灸治療

今回の方への施術では、全体に軽めの刺激を意識しました。

過敏性腸症候群の方の中には、刺激に敏感な方もいらっしゃいます。
そのため、強く刺激するよりも、身体が安心して受け入れられる範囲で整えることを大切にしています。

施術の目的は、大きく分けると次の3つです。

  • 胃腸を支える気を補うこと。
  • 緊張や不安で滞りやすい気をめぐらせること。
  • お腹や足の冷えをやわらげ、身体が安心しやすい状態をつくること。

背中から胃腸と気のめぐりを整える

胃腸のツボに鍼

うつ伏せでは、まず首肩の緊張をゆるめました。

過敏性腸症候群というと、お腹だけに意識が向きやすいかもしれません。
けれど、首肩や背中の緊張が強いと、呼吸が浅くなり、身体が休まりにくくなることがあります。

そのため、赤岩治療院では、お腹だけでなく、首肩や背中の状態も確認しながら施術しています。

今回の施術では、心兪(しんゆ)、膈兪(かくゆ)、至陽(しよう)、肝兪(かんゆ)、脾兪(ひゆ)、腎兪(じんゆ)、命門(めいもん)、太渓(たいけい)などを用いました。

脾兪は、胃腸の働きを支える目的で使いやすいツボです。
肝兪は、緊張や気のめぐりを考える時に意識することがあります。
腎兪や命門は、冷えや体力面を支えたい時に使うことがあります。

また、膈兪、至陽、脾兪、腎兪、命門、太渓には、必要に応じて知熱灸を行いました。

温かさを加えることで、冷えやこわばりをやわらげ、身体が安心しやすい状態を目指しました。

お腹の冷えと張りを整える

過敏性腸症候群のお灸治療

仰向けでは、百会(ひゃくえ)、天枢(てんすう)、気海(きかい)、関元(かんげん)、足三里(あしさんり)、三陰交(さんいんこう)、太衝(たいしょう)、内関(ないかん)などを用いました。

天枢は、お腹の張りや便通の乱れがある時に使いやすいツボです。
気海や関元は、お腹の冷えや気の不足を考える時に用います。
足三里は、胃腸の働きを支える施術でよく使うツボです。

今回の方は、お腹や足が冷えやすかったため、天枢、気海、関元、足三里、三陰交にはお灸も加えました。

温かさが入ることで、胃腸の緊張がゆるみ、身体が落ち着きやすくなることがあります。

不安や緊張で滞った気をめぐらせる

過敏性腸症候群では、お腹の症状だけでなく、緊張や不安の出方も大切にみています。

今回の方には、太衝や内関も用いました。

太衝は、気のめぐりを整えたい時に意識するツボです。
内関は、胃の不快感や胸まわりの緊張がある時に使いやすいツボです。
百会は、頭の緊張や不安が強い方に対して使うことがあります。

この方の場合は、脾の気を補いながら、肝の気をめぐらせることを大切にしました。

簡単に言うと、胃腸を支える力を補いながら、気疲れや緊張でこわばった身体をゆるめる施術です。

赤岩治療院では、過敏性腸症候群をお腹だけの問題としてみるのではなく、胃腸を支える力、気のめぐり、冷え、不安、首肩の緊張まで含めて整えていきます。

下痢しやすい方が日常で意識したいこと

過敏性腸症候群の方は、すでに食事に気をつけている方が多いと思います。

そのうえで、日常では「お腹を冷やさないこと」と「安心できる準備をしておくこと」が大切です。

お腹と足首を冷やさない

お腹が冷えやすい方は、腹巻きやカイロを上手に使うのもよい方法です。

ただし、熱すぎる刺激は避けてください。
じんわり温かい程度が目安です。

足元の冷えもお腹に影響することがあります。
特に、足首を冷やさないようにするだけでも、身体の安心感につながることがあります。

外出前の食事をシンプルにする

外出前や乗り物に乗る前は、無理にたくさん食べる必要はありません。

脂っこいもの、冷たいもの、乳製品など、自分にとって不安が出やすいものは避けた方が安心です。

ただ、避けるものが増えすぎると、食事そのものがストレスになります。

「今日は安心して過ごすための食事」と考え、温かく消化に負担が少ないものを選ぶとよいでしょう。

トイレの確認を安心材料にする

外出先のトイレを確認することは、悪いことではありません。

大切なのは、確認したあとに「これで大丈夫」と身体が安心できる方向へ切り替えることです。

何度も検索したり、トイレのことを考え続けたりすると、不安が強くなってしまう場合があります。

確認したら、呼吸をゆっくり整え、肩の力を抜く時間をつくってみてください。

医療機関での確認も大切

過敏性腸症候群と診断されている場合でも、症状に変化がある時は医療機関で確認することが大切です。

特に、次にあげる症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。

  • 血便がある
  • 急に強い腹痛が出た
  • 体重が急に減っている
  • 発熱が続く
  • 夜間に強い下痢で目が覚める
  • 食事がとれない状態が続く

今回の方のように、定期的に胃カメラや大腸検査を受けながら身体の状態を確認しておくことは、とても大切です。そのうえで、検査では大きな問題がないけれど下痢や不安が続く場合には、赤岩治療院では身体の緊張や冷え、気のめぐりを確認しながら、過敏になりにくい状態を目指して整えていきます。

まとめ

過敏性腸症候群では、下痢やお腹の張りだけでなく、外出先での食事や乗り物への不安が大きな負担になることがあります。

食事に気をつけていても下痢を繰り返す場合、冷え、疲れ、気疲れ、緊張、季節の変化などが重なっていることがあります。

東洋医学では、こうした状態を「気」の不調として考えます。

赤岩治療院では、胃腸を支える気を補い、緊張で滞った気をめぐらせ、身体が安心しやすい状態へ整えることを大切にしています。

過敏性腸症候群による下痢やお腹の張り、外出前の不安が続いている方は、無理を重ねる前にご相談ください。

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