更年期の不眠症に「ツボ押し&腹式呼吸」が効果的!女性鍼灸師がわかりやすくご紹介します
執筆者:鍼灸師 赤岩優子
眠りの質が気になったら「ツボ押し&腹式呼吸」をぜひお試しください!
不眠は、年齢を問わず多くの人が経験する不調の一つです。特に更年期には、不眠や睡眠の質の低下に悩む人が多くなります。できるだけ薬に頼らずに自然な方法で不眠を改善するためには、ツボ押しや腹式呼吸、さらに鍼灸治療が有効です。このページでは、更年期の不眠に効果的な「ツボ押し&腹式呼吸」とツボの位置をわかりやすくご紹介します。
更年期の不眠に効果的な「ツボ押し&腹式呼吸」
更年期における体内の「気」の流れは、頭部に向かって上昇しやすく、その結果、首から上の部分に「気」がたまり、汗やほてりを引き起こしやすくなります。一方で、下半身は「気」が不足しがちで、冷えやすくなります。
ここで、「ツボ押し&腹式呼吸」の組み合わせが役立ちます。「百会」(ひゃくえ)というツボを押しながら腹式呼吸を行うことで、ツボ押しだけよりも効果的に体内の「気」の流れを改善することができます。
不眠に効くツボ
眠りの前のひと時に、お休みになった状態でも押しやすいツボをご紹介します。
- 「百会」(ひゃくえ):全身の気の流れを整えるツボです。更年期の不眠やストレス緩和に効果的で、軽く押すことでリラックス効果もあります。
- 「内関」(ないかん):手首のしわの中央から肘に向かって2寸(約4センチ)にあるツボです。不眠の改善、緊張や不安感からくる神経のたかぶりを抑え、安心感を高めるツボです。
- 「労宮」(ろうきゅう):手のひらの真ん中あたりにあるツボです。不安感や気持ちのざわつきをしずめて、落ち着いた気持ちに導く効果のあるツボです。
「ツボ押し&腹式呼吸」の方法
- 仰向けになります。
- 「百会」を探します。(上記イラストを参考)
- 「百会」のツボを押しながら、口から息をゆっくり吐き出し、同時にお腹をへこませます。その時、おへその下3cm位の位置にある「関元」(かんげん)というツボを意識しながら、お腹をへこませてみましょう。
- 息をすべて吐き出したら、鼻から息を吸います。この時、新鮮な空気が鼻からお腹にゆっくりと流れ込むイメージをします。へこんでいたお腹がふくらむ感覚を感じながら、呼吸の自然なリズムを感じます。
- 2と3を、気持ちが良い程度に繰り返してみましょう!
【効果を高めるポイント!】
- 「百会」を押す時は、「イタ気持ち良いの一歩手前くらい」の強さが最適です。強すぎる刺激は神経を興奮させやすいため、少し物足りないかなと感じるくらいが丁度良いでしょう。
- 腹式呼吸は、何秒で吐かなければならないという決まりはありません。少し長めに息を吐き、気持ち良く呼吸できる自分のペースを大切にしてください。
- 呼吸を意識しすぎると、首や肩に力が入ってしまうことがよくあります。お腹にある関元というツボ(おへそから3センチ下)を意識して、お腹のふくらみやへこみを感じ取るようにしてみましょう!
更年期における不眠の原因
更年期における不眠の主な原因は、ホルモンバランスの乱れです。エストロゲンの減少は、睡眠を調整するメラトニンの分泌にも影響を与え、不眠を引き起こします。
ホットフラッシュや寝汗、夜間のトイレなどが気になって、眠りが浅くなりやすいため、中途覚醒が増えることもあります。
また、更年期における精神的なストレスや不安感も、不眠を悪化させる要因の一つです。
更年期の不眠の症状
更年期不眠の症状としては、入眠困難、夜間覚醒、早朝覚醒などが挙げられます。これらの症状が長期間続くと、日中の疲労感や集中力の低下から、気持ちがぼんやりしてしまい、うっかりしたミスが増えたり、電車を乗り過ごしてしまうなど、生活の質が低下することにつながります。
まとめ
更年期に起こりやすい不眠には、個人によって異なるさまざまな要因が絡んでいます。身体の変化だけでなく、精神的な変化も同時に訪れるこの時期の不眠に対して、ぜひ「ツボ押し&腹式呼吸」を試してみてはいかがでしょうか。
不眠だけでなく、さまざまな不調が現れる更年期ですが、できるだけ自然な方法として鍼灸治療が役立つと考えています。
お一人おひとりの状態は異なるため、東洋医学に基づいた診断の上で、今現れている不調への治療と同時に、もともとの体質の偏りを整えていきます。鍼灸治療の内容については、更年期障害のページで詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。
更年期の不眠にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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