梅雨時期の下痢・軟便を改善!湿気対策と自律神経を整える鍼灸治療の効果とは?
執筆者:鍼灸師 赤岩優子
梅雨に下痢や軟便でお困りの方はぜひご覧下さい!
梅雨の時期に多くの人が感じる胃腸の不調。特に、下痢や軟便の原因は、この時期特有の湿気と自律神経の乱れとに関係があります。鍼灸治療は、これらの症状に根本からアプローチする効果的な方法です。このページでは、下痢・軟便への鍼灸治療の効果、東洋医学から考えた湿気と下痢・軟便の関係、自律神経への影響についてご紹介します。
下痢・軟便への鍼灸治療の効果
治療では、主に「脾・胃」という消化器の働きを高めるツボや経絡に、鍼とお灸を効果的に使い、適度な刺激をあたえます。それにより、次の3つの効果が期待できます。
- 体内に溜まった「湿」の排出を促し、「脾・胃」の負担を軽減
- 「脾・胃」の働きを高め、「湿」が溜らない体質に導く
- リラクゼーション効果が自律神経の乱れを整え、ストレスを軽減
お灸の効果とは?
「湿」の排出や「脾・胃」の働きを良くするには、お灸が特に効果的です。
施術では、背中・お腹・足の胃腸につながるツボにお灸をします。お灸は、体を深部から温め、免疫力を高める効果があるため、体が冷えやすい方や体力が少ない方には特におすすめです。
湿気による下痢・軟便への影響
梅雨時期には湿度が高くなり、体内に湿気が溜まりやすくなります。東洋医学では、この湿気のことを「湿邪」といいます。
湿邪は、排出されるべき水分が体内に溜まり、サラサラとした水のような性質から重たく粘り気のあるものに変わった状態で、身体にさまざまな悪影響を及ぼすと考えられています。
特に、湿邪は東洋医学で「脾・胃」と呼ばれる消化器系の働きに影響を与えます。梅雨時期に食欲不振や胃・腸の不調を感じる人が増えるのはこのためです。
梅雨時期に特に多い症状
梅雨時期には、胃もたれ、食欲不振、下痢や軟便、便秘などの症状が多く見られます。これらの症状は、湿邪が胃腸の働きに負担をかけていることが多いようです。
最近の梅雨は湿度と共に気温も高く、どうしても口当たりの良い冷たい食べ物や飲み物を摂取しがちです。しかし、冷たい物を多く摂りすぎると、それを消化する「脾・胃」に負担がかかり、その結果、「脾・胃」の働きが低下します。負担が積み重なると、ついには処理しきれなくなり、胃腸に湿が溜ってしまいます。それが、下痢・軟便の原因の一つです。
梅雨時期の自律神経への影響
自律神経は、体の内部環境を調整する役割を持ち、呼吸、消化、体温調節などを管理しています。交感神経と副交感神経から成り、これらがバランスよく働くことで、体調が保たれます。
しかし、このところの寒暖差、高い湿度や気温は自律神経の働きを乱す大きな原因となります。不安定な気温や天候の中で、体調を保とうと働く自律神経も大忙しです。
さらに、どんよりとした空模様で、気持ちがスッキリしないという方も多いと思います。肌がベタついたり、ジトっとした汗をかきやすいなど、体が感じる不快感をストレスに感じる方が多いようです。
ストレスが自律神経に与える影響
ストレスがかかると、自律神経のバランスは崩れやすくなります。
特に交感神経が過度に活発になると、胃腸の働きが低下し、下痢・軟便、食欲不振や消化不良などが起こりやすくなります。リラックスする時間を持ち、副交感神経を活性化させることが重要です。
まとめ
「梅雨のこの時期に体調を崩しやすい」という患者さんの声を、このところ多くお聞きします。その中でも、下痢や軟便などお腹の調子がスッキリ落ち着かないという症状が多いです。これらの症状が長引くと、痔を引き起こしたり、気持ちが滅入ってしまう方もおられます。
また、もともと胃腸の調子を崩しやすい、過敏性腸症候群(IBS)の方には、特に不調を感じやすい時期です。詳しくは、過敏性腸症候群(IBS)の鍼灸治療のページもどうぞご覧ください。
鍼灸治療は、梅雨時期の軟便・下痢、胃腸の不調を効果的に改善する方法です。
東洋医学における「湿邪」を取り除き、同時に自律神経の乱れを整えるアプローチができます。薬とは違う自然な方法でこの時期の不調の対策をしてみませんか?お困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。