頭痛の場所から原因を診断!トリガーポイント鍼治療
執筆者:鍼灸師 赤岩聡
頭痛や目の奥の痛みでお悩みの方は是非ご覧ください。
頭痛には、筋肉の緊張が原因となる緊張性頭痛と、神経の興奮やストレス・自律神経の乱れなどから起こりやすい片頭痛があります。
当院では痛みの出ている場所で頭痛の種類・原因を深く読み取り、症状に合わせてトリガーポイントへの治療も取り入れ、頭痛の根本的な改善を目指した治療を行っております。
頭痛の場所から原因を考える
頭痛の原因は様々ですが、肩や首の筋肉のコリや緊張、ストレスなども大きく関係しています。当院では頭痛の痛みの場所から、【関連する筋肉】【東洋医学による診断】をあわせて、頭痛の原因を考えます。
眉毛・おでこ・頭頂部の痛み
【関連する筋肉】
頭頂部の頭痛や眉毛・おでこ・下唇の下の痛みは、主に板状筋・胸鎖乳突筋といった筋肉の状態が影響しています。
板状筋は頭頂部の神経(大後頭神経)の近くにある筋肉なので、この筋肉の緊張が頭頂部に頭痛となって現れることがあります。
【東洋医学による診断】
頭頂部の頭痛はストレスや精神的な緊張などによって起きると考えます。考え事や思考することなど、頭を使うことが多いと痛みが起きやすい場所です。
こちらのブログもぜひご覧ください。
⇒眉毛の凝りや痛みをやわらげる鍼治療とセルフマッサージ
耳のまわり・こめかみ・下あごの痛み
【関連する筋肉】
側頭部の頭痛やこめかみ・下あごの痛みは、僧帽筋・後頭部の筋肉(大・小後頭直筋、上下頭斜筋)・板状筋・胸鎖乳突筋といった多くの筋肉の状態が影響しています。
これらの筋肉はパソコンやスマホの画面を見続ける時、頭を固状させた状態に保つ筋肉です。首と頭の間の奥深くにある筋肉なので、鍼による治療が大変効果的です。
【東洋医学による診断】
側頭部の頭痛はホルモンバランスやストレスなどの影響を受けることで起きやすいと考えます。女性の生理周期によりホルモンバランの変化で起きる片頭痛やストレスが引き金となる頭痛ではよくこのエリアに痛みがおこります。
他に、歯のかみしめ・歯ぎしりによって咬筋(かみしめる筋肉)の緊張が側頭部の痛みとなって現れることが良くあります。顎関節症やあごの痛みにも鍼治療が効果的です。
後頭部・耳の後ろ~髪の生え際の痛み
【関連する筋肉】
後頭部の頭痛や髪の生え際の痛みは、僧帽筋・後頭部の筋肉(大・小後頭直筋、上下頭斜筋)・板状筋など多くの筋肉の状態が影響しています。特に僧帽筋は長時間姿勢を保持する時に働く筋肉です。
【東洋医学による診断】
後頭部の頭痛は肩や首のコリが蓄積されたり、自律神経の乱れなどによって起きやすいと考えます。他に肩甲骨の間の緊張や痛みが同時に起きることがよくあります。
頭痛のトリガーポイント鍼治療
トリガーポイントとは、ある特定の場所(首や肩など)の筋肉が硬くなっているところを押すと、その場所とは別の場所(こめかみや頭など)に痛みが伝わる現象のことです。その痛みの原因となる筋肉の硬い部分がトリガーポイントと呼ばれます。
目の疲れと同時に頭痛を感じる方は多いのですが、同時にこめかみ・まゆ毛・おでこ・あごなどに痛みが起きる方も大変多いです。このような症状にはトリガーポイントへの鍼の治療が大変効果的です。
- 60分コース 8,500円
※初めての方は初診料1,500円がかかります。
僧帽筋のトリガーポイント
僧帽筋は上部・中部・下部の3つに分けられますが、とくに僧帽筋上部繊維は重力に対する働きをする姿勢筋なので緊張しやすい特徴があります。
多くの方が姿勢を長時間保持したデスクワークによって肩の筋肉の僧帽筋が緊張している状態です。いわゆる肩が凝った状態になっています。しかし、その状態を辛いと感じる方もいればあまり感じないという方もいて、こりや痛みの感じ方には個人差がとても大きいのです。
知らず知らずのうちに肩にトリガーポイントができていて、それによる頭痛が起こっている場合もあります。
反対の手でこの部分を強く押すかつまむかして、図のような頭やこめかみにズ~ンと響くような感じがしたら、僧帽筋にトリガーポイントができている可能性があります。
後頭下筋群のトリガーポイント
後頭部に付着している4つの筋肉(大・小後頭直筋、上・下頭斜筋)を総称して後頭下筋群と呼びます。これらの筋肉は首と頭の付け根の奥深くにあるので鍼による治療が大変効果的です。
パソコンの作業を長時間している場合など、画面を見るために頭を固定し続けるとこれらの筋肉がこり固まってきます。
なんとなく後頭部や側頭部に頭痛を感じていたり、目の奥の方が痛いとか重いような場合も後頭部の筋肉を治療すると効果的です。
後頭部が押したくなったり辛くなってきたら、アゴを軽く引いた状態で頭を下に向けるとこれらの筋肉をストレッチすることができます。
板状筋のトリガーポイント
板状筋は2つの筋肉からなっていて、頭蓋骨から頸椎に付いている頭板状筋と頸椎に付いている頚板状筋があります。
とくに頭板状筋は、大後頭神経という後頭部から頭頂部に延びる神経の出口近くを通っている筋肉なので、この筋肉の緊張によって頭頂部の頭痛の原因となっていることがあります。
また、大後頭神経は目の周りの感覚を支配する三叉神経と関連があるために、板状筋の緊張が原因で目の奥が痛いなどの眼精疲労の症状を訴える方も多くいます。
胸鎖乳突筋のトリガーポイント
胸鎖乳突筋という筋肉は耳の後ろ辺りから鎖骨・胸骨に付いています。
胸鎖乳突筋は姿勢筋の一つでストレスの影響も受けやすく緊張しやすいため、知らず知らずのうちにトリガーポイントができやすい筋肉の一つです。
この筋肉のこりがひどくなりトリガーポイントができると、前頭部の頭痛を感じたり、耳鳴りや目のかすみなどの症状を起こすことがあります。
→ 独立行政法人 労働者健康安全機構 茨城産業保健総合支援センター 頭痛とつきあう
頭痛でお悩みの方へ
頭痛には、筋肉の緊張による緊張性頭痛と神経の興奮による片頭痛があります。しかし、緊張性頭痛と片頭痛の症状の特徴が混在しているため、どちらかわからないケースもあります。
緊張性頭痛は、関連する筋肉の凝りをほぐすと頭痛が和らぐことが多いのですが、片頭痛の場合は三叉神経という頭の神経が過敏になっている状のため、市販の頭痛薬が効かないことの方が多く、専門の治療が必要です。
そのため、頭痛が起きているからと市販の頭痛薬を服用し過ぎてしまうと、薬物乱用頭痛になる可能性がありますので、頭痛のタイプに合わせた治療を受けることが大切です。
また、女性の生理周期や更年期のホルモンバランスの変化によっても頭痛を感じることがあります。そのような場合は、筋肉の凝りだけではなく、自律神経のバランスを考慮した治療が必要です。
このように、頭痛の原因はさまざまですが、当院では丁寧な問診を行い、頭痛の原因を多角的に分析して、頭痛の根本的な改善を目指しています。
頭痛でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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