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片頭痛

片頭痛

片頭痛は、慢性的な頭痛として考えられており、繰り返す痛みの発作が日常生活にも大きく影響を及ぼすことがあります。痛みの程度、痛みの場所、痛みが起こりやすい状況は人によって異なるため、周りの人の理解が得られにくいことも多く、これが苦痛の原因になることもあります。

また、片頭痛と同時に筋肉の緊張による頭痛(緊張性頭痛)の要素も併せ持つタイプもあり、その原因は複雑で、さまざまな要因が関係して起きると考えられています。

このページは、片頭痛の鍼灸治療について、また片頭痛について詳しくご紹介しています。繰り返す痛みの発作でお困りの方、症状の軽減や予防をお探しの方は、ぜひご覧ください。

片頭痛の鍼灸治療

気の流れを促す鍼治療

片頭痛の鍼灸治療は、痛みの発作が起きている時の治療よりも、定期的な施術により予防することに重点をおいています。

主に、東洋医学における「気・血・津液(水)」の体内バランスを調整し、バランスを整えていきます。
具体的な施術内容は、以下の通りです。

「気」の流れを整える

東洋医学では、「気」の流れが滞ると「気滞」(きたい)が起きると考え、それにより、血流の悪化や気分の落ち込み、意欲の低下などを引き起こすと考えます。

特定のツボや経絡への鍼治療により、片頭痛の誘因となるストレスや緊張を和らげ、自律神経の調整をはかります。

「血」の滞りを改善

鍼とお灸で「血」の流れを促す治療により、首や肩の緊張やこわばりをゆるめ、体の疲労の解消します。

また、生理周期に片頭痛が起きる方(月経関連片頭痛)には婦人科系の治療もあわせて行い、「お血」(血の滞りのこと)を改善することで、女性ホルモンのバランスを調整します。

「津液」(水)の代謝を促す

津液とは体内をめぐる血液以外の水分のことです。

水分の代謝が低下し余分な水分が頭部で滞ると、頭痛や頭重感、めまい、耳鳴りなどの原因となることがあります。

鍼灸で、体内の水分が滞りなく流れ、不要となった水分が代謝されるように、めぐりを促します。

定期的な鍼灸治療の効果

片頭痛のような慢性的な痛みは、そのままにしておくと、痛みを伝える神経が敏感になり、わずかな刺激でもでも痛みとして感じるようになる可能性があります。

鍼灸治療により、脳の「痛み」を感じる部分にポジティブに作用し、その感覚を調節することがわかってきています。

鍼灸の刺激が体から脳に伝わり、痛みの感じ方が変化していく過程で、「痛み」に対する不安や恐れを、徐々に取り除いていくことが慢性の痛みの改善にとても重要だと考えています。

片頭痛とは

片頭痛は、繰り返し起きる頭痛で、数時間から3日間ほど続くことがあります。
痛みの発作が起きる前に、目がチカチカしたり、光のような物が見えるなどの前兆がある場合もありますが、全くない場合もあります。

今のところ、この痛みが起きるメカニズムは解明されていませんが、脳内の科学物質の変化や、血管の拡張が関与していると考えられています。

頭痛は、他の病気によって引き起こされることもあり、中には、命に関わるような病気からの頭痛もあります。頭痛は、原因や特徴によって次のように分類されます。

【一次性頭痛:機能性頭痛】

  • 片頭痛
  • 緊張性頭痛
  • 群発頭痛

【二次性頭痛:他の病気が原因の頭痛】

  • くも膜下出血
  • 脳出血
  • 脳動脈解離、頸動脈解離
  • 脳腫瘍
  • 髄膜炎、脳炎
  • 風邪、インフルエンザ
  • 高血圧緊急症
  • 緑内障
  • 慢性副鼻腔炎、急性副鼻腔炎など

【神経痛による頭痛】

  • 三叉神経痛
  • 後頭神経痛

頭痛は、命に関わる病気の兆候である可能性もありますので、自己診断をせずに、まずは脳神経外科や神経内科、または頭痛専門のクリニックで診断を受けることが重要です。

片頭痛を引き起こす誘因と対策

片頭痛にはさまざまな誘因があり、約75%の方が特定の誘因によって頭痛が起こるとされています。ご自分にとっての誘因を知り、それを避けることが予防につながります。

日々の体調は意外と忘れてしまうものですので、頭痛ダイアリーに記録をつけておくと、ご自分の頭痛のパターンを把握しやすくなりますので、おすすめです。

片頭痛の誘因には個人差がありますが、一般的には次のようなものがあります。

【精神的なストレス】
ストレスは、片頭痛の大きな誘因となりますが、ストレスから解放されたときに頭痛が起きる現象(週末頭痛)もあります。

【睡眠不足、眠り過ぎ】
睡眠不足や、その逆に過剰な睡眠でも片頭痛が起きることがあります。休日と平日の睡眠時間をあまり変えずに、できるだけ規則的な生活を心がけることは、片頭痛の予防に効果的です。

【体の疲れ】
体の疲れは、精神的なストレスにつながりやすくなります。ストレッチやのんびりと入浴するなど、できるだけ日々の疲れを解消できる方法をみつけて実践しましょう。

【気圧の変化、温度差】
台風が近づいている時や、梅雨時期は片頭痛が起こりやすい時です。
また、温度差も片頭痛を引き起こす誘因と考えられています。室内を適切に調節したり、温度調節のしやすい服装を選びましょう。

【匂い、強い光、環境の変化】
ご自分にとって、不快と感じる匂いがする場所は避けるようにしましょう。人の多い場所、照明がまぶしい場所なども、片頭痛の引き金となることがあります。

【長時間の空腹】
長い時間空腹が続くと、血糖値が下がり片頭痛の誘因になります。ある程度規則的に食事をとるようにしましょう。

【赤ワイン、チーズ、チョコレートなど】
片頭痛を誘因する食品には次のようなものがあります。

  • 亜硝酸化合物が含まれるもの:ベーコンやソーセージなど
  • グルタミン酸ナトリウムがふくまれるもの:調味料、ファーストフード、スナック菓子、冷凍食品など
  • チアミンが含まれるもの:チョコレート、ココア、チーズなど
  • 柑橘類:みかん、グレープフルーツなど

上記の食品が片頭痛を引き起こすかどうかは個人差があります。同じ食品でも、食べる状況によって片頭痛が起こることもあれば、そうでないこともあります。

片頭痛の発作には、いくつかの誘因が重なっていると考えられています。そのため、過度に特定の食品を制限することは、ストレスになる可能性もあります。

もし、多く摂り過ぎている食品があれば控える程度に調節し、できるだけバランスの良い食事内容を心がけることが大事です。

【女性ホルモンの影響】
女性ホルモンのエストロゲンの変化は、片頭痛の一因となります。

特に、生理が始まる2日前から生理の3日目位まで、および排卵期にはエストロゲンの分泌量の変動が起こるため、この時期は頭痛が起こりやすくなります。

片頭痛の予兆と前兆

片頭痛の痛みの発作は、発生の24時間から48時間前に感じられる「予兆」と、痛みが始まる直前、または痛みと同時に現れる「前兆」によって予測されます。
片頭痛の予兆と前兆には次のようなものがあります。

【片頭痛の予兆】

  • 食欲が増す
  • 生あくびが出る
  • 疲れを感じる
  • 気分が落ち込む
  • イライラや焦りを感じる

【片頭痛の前兆】

  • 目の前がチカチカする
  • 光のような物が見える
  • 皮膚がチクチクする

※片麻痺性片頭痛や脳底型片頭痛とよばれるタイプの片頭痛には、特有の前兆があります。以下の前兆は、命に関わる危険な病気の可能性があるため、症状が現われたらすぐに医療機関を受診することが重要です。

【注意が必要な前兆】

  • 一時的に言葉がしゃべりにくくなる
  • 手足に力がはいりにくくなる
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 難聴

片頭痛の痛みの性質

片頭痛は、頭の片側が痛むというイメージがありますが、実際には痛む場所や痛み方は個人差が大きく、さまざまです。同じ方でも、その日その時によって変わることが多くあります。

日本での調査によると、片頭痛の方の多くが痛みを感じると答えた場所は後頭部ですが、おでこ、こめかみ、目の周りなどもあります。

片頭痛の痛みは、「拍動性」と呼ばれ、心臓の拍動に合わせて「ズキンスキン」という痛みが特徴的です。また、頭が重いと感じることもあります。

このような片頭痛による痛みは、体を動かすと悪化する特徴があります。

片頭痛と同時に起きる症状

片頭痛は他の症状を伴うことがあります。
光や音、匂いに対して過敏になることがあり、普段は気にならない部屋の照明がまぶしく感じたり、時計の秒針の音が気になったりすることがあります。

他に、皮膚の感覚に異常が起きる「皮膚アロディニア」も片頭痛の一症状で、軽く触れただけで痛みを感じたり、何も触れていないのに違和感を感じることもあります。

また、中にはめまいや首こり、肩こりなどの症状を感じる方もいます。

参考 MEDLEY:片頭痛

お困りの方へ

片頭痛の痛みの発作が起きるメカニズムにはさまざま理論がありますが、ストレスが主要な引き金であることが知られています。

日常生活で、どのような時に痛みが起きるか?また痛みの前にはどのように過ごし方をしていたか?など、ご自分にとってストレスに感じる物事を把握しておくことは、とても重要です。

鍼灸治療は、体の疲れや凝りを解消し、神経の興奮を鎮め、精神的なリラックスを促す効果が期待できる治療法です。また、自律神経のバランスを整え、脳の「痛み」を感じるシステムにも良い影響を与える効果もわかってきています。

鍼やお灸の感覚がフィットする方には、特に大きな治療効果があると思います。まだ受けたことがない方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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初回のみ初診料1,500円がかかります。

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    16,500

    片頭痛の他にもお困りの症状が多く、身体全体の治療を受けたい方に

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    片頭痛の他に気になる不調がいくつかある方に

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    60コース

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    定期的に体調を整えたい方に

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